「ステンシルに基板のネジ穴と同じ位置に穴あけすれば、位置合わせが楽」
というアイディアを最初に見たのはTwitterだったと思います。その方はピンかなにかを使っておられましたが、3Dプリントでピン付きの台を出力してみたらいい感じになりました。
■Fusion 360で設計■
設計というほどのものではなく、内側の四角から順に
- 基板のハマる四角……3Dプリントが収縮しても良いように、基板よりほんの少し大きめに。
- ステンシルが乗る四角……これもステンシルより少し大きくします。
- 外形……レジンをケチるために小さくすると作業性が落ちますのでほどほどに。
- ネジ……2.6mmの円をネジと同じ位置に。
を並べて位置を合わせるだけです。
次にこれを立体にします。いずれも押し出しを使います。
- まず、全体のサイズを2mm、下方向に出力します。上がプラスなので-2mmですね。これは全体の土台になります。基板の厚さ、ステンシルの厚さ……などを計算するとめんどくさいので、私はいつも基準面よりも下に土台を出します。
- 基板は基準面に接してますので、その外側を押し出します。今回は1.0mmの基板を作ったので、1.0mm上に向けて押し出します。
- 外わくは基準面から基板厚+ステンシル厚を上に向けて出力します。今回は基板1.0mm+ステンシル0.1mmで1.1mmにしました。
- ネジ部分、今回はネジとネジの間に部品がないので、少し高めの3mmに押し出しましたが、間に部品がびっしりあるような場合にはスキージングのときの邪魔にならないように1.0+0.1+0.5mmぐらいにします。
ネジのてっぺんにフィレットで丸みを付けます。さっき+0.5mmしたのは、ここでフィレットを0.5mmにするためです。こういうところに丸みをつけておくと基板やステンシルがさっと穴にはまりますので、作業性が向上します。
最後に、3Dプリンタのビルドプレートからはがしやすくするように、底面に0.5mmの面取りをします。ビルドプレートにくっつく部分は、硬化時間が長いので太りやすく、その分を小さくしておかないとうまく刃が入りませんので。
■出力■
特に何もありませんが、私はこういう平面性が大事なものは、べったりとビルドプレートに接するように出力します。
ChiTuBoxにて |
■結果■
ちょっと収縮が大きくてネジ間とネジ間が縮んでしまったのですが、ステンシルと基板にいい感じでテンションがかかってくれて、いい感じでフィットしました。トップの写真が顕微鏡写真です。小さい丸が0.2mmなので、いい精度出てます。
従来の方法だと位置合わせは結構たいへんで、微調整をするためにマスキングテープを貼って少しずつずらしたあとでべったり固定して……などとアナログ的な技術が必要だったのですが、これならば基板をはめてステンシルをはめて、ペースト塗布……それだけです。
末筆ながら、発案者の方に感謝申し上げます。
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