2019年7月30日火曜日

わしらはハンダクリームをどれだけ使うのか・1



1608の部品40個とSOT23が1という小規模な基板で試してみました。部品数は少ないjのですが、面積はわりと大きめです(127 x 75mm)。スカスカとも言います。

スキージングの前にプリント基板と容器ごとハンダクリームの重量を測り、スキージング後の重量と比較します。

結果。使用したハンダクリームの量は1.1g、基板に乗った量は0.1g以下、うちのキッチンスケールでは測れませんでした。

ハンダクリームはステンシルにもスキージーにもへばりつくのでまぁ3-4gは使っているんじゃないか?と思っていましたので、意外です。

500g入りを買ってしまったのはかなり無謀ですね……。

2019年7月27日土曜日

ステンシルプリンタをサクサク使う

ステンシルプリンタを使うと、ハンダクリームが大変きれいに乗ります。もうこれなしでは生きていけないレベル(メイカーとして)。


上の写真は倉橋屋の生産設備でスキージング→ピックアンドプレース→リフローした0.5mmピッチQFPです。かなり良い感じにできていると思うのですが、いかがでしょう。

ただ、ステンシルプリンタは最初の位置決めが面倒です。特徴的な要素のない基板とステンシルを合わせようとして最大25分かかったことがあるレベル。ですが、ようやく5分程度で位置を合わせられるようになりました。

■ステンシル プリンタの使い方■

まず、フレーム付きステンシルをプリンタにセットします。この段階で親指で押さえているところがツライチになっていて、その左側にも隙間ができていなことを確かめます。



プリンタのY軸ステージ調整ネジでプリンタ本体とフレームの手前もツライチになるようにします。写真は左側ですが右側も。



左端はフレームとツライチになるようにマスキングテープを貼ってX軸の基準とします。



基板上の左下の部品を基準にして、フレームの左端と部品の距離をディバイダにセットします。斜線誤差は気にしない(ステージの段差とフレームの段差がほぼ同じ高さなので)。


フレームをあげて、ステージと基板上のパターンの位置をディバイダで合わせます。さっきX軸基準として貼ったマスキングテープと基板の左下の部品の距離です。


その時の基板の左端に合わせてマスキングテープを貼ります。



今度はY軸方向のフレーム端と部品の距離をディバイダにセット


またフレームを持ち上げて、ステージと基板上の部品位置をディバイダに合わせます。左端はさっき貼ったマスキングテープと合わせます。


この状態でフレームを下げるとこんな感じ。あとちょっとぉお!


あとはY方向2つとX方向1つのステージ調整ネジを使って、ぴったり合わせます。真上からみて合わせること、これとても大事。真上から写真撮れない斜めから撮ってますが、黄色いレジストがちらほら見えてますよね。真上からだと見えないんだぜ、これで。


基板の下はこんな感じです。真鍮棒は基板下面と同じ高さ、アルミのL字金具はLの立ち上がったところの平面が基板下面、ポチッと出っ張ったところが基板の2/3ぐらいの厚さになるように調整します。この出っ張りの高さはネジで調節可能で、出っ張りそのものもネジの太さに合わせて数種類付属しています。水平方向のガタはそれぞれのL字を引っ張る方向で押さえながらネジ締めます。



なお、JLCPCBでステンシルも同時に発注する時、with frameにするとやけにデカいやつがデフォルトになってしまうのですが、400x300mmがフレーム付きの最小サイズです。ご参考まで。

2019年7月22日月曜日

CP2102N、ESP32書き込み基板

なんか書き込み基板ばっかり作っているような気がする今日この頃。



とあるESP32製品の書き込み用基板を作りました。

  • CP2102N
  • micro USB
  • TX/RXのLED
  • 入力側VUSB, D+, D-に保護回路(バリスタ)
  • 自動ESP書き込みモード(トランジスタ2個使うアレ)

って感じです。もう枯れたICなので、さくさくと設計してJLCPCBに発注。とある会社のコーポレイトカラーにあわせて黄色にしたのですが、なんかオレンジっぽい黄色になってしまいました。2x2枚パネライズしてもらってステンシルも頼んで約5,000円です。

すっかすかですが、ネジがでかいからしょうがない(言い訳)。

出来上がった基板、ご自宅生産工場のステンシルプリンターでハンダクリームを塗布。今回から共晶ハンダクリームをXG50から千住金属さんのに変えました。今のところ違いよくわからないですが、XG50よりもねっとりした感じで実体顕微鏡で見ると粒子が細かく均一……な様な気がします。



QFN28なのでピックアンドプレースでちょっと苦労しましたが、横からピンが見えるのでヘッドルーペとピンセットで位置を微調整。試作なので1個だけわざとピン幅の1/3ほどずらして置いてみましたが、ちゃんとアライメントされていました。ピン幅1/3って0.1mmなのですが、それでも物凄くズレているように感じてドキドキです。2.54mmのDIPで「手が震えるわー」って言ってたの3-4年ぐらい前……人間って年を取っても成長するもんです(しみじみ)。

出来上がってテストしたらLEDが点灯しません。確認してもダイオードの向きなど間違っていません。ググったら、Silicon Labsのツール「Xpress Configurator」で設定する必要があるとのこと。以下うろ覚えですが、こんな感じ
  1. Silabにアクセスしてアカウントを登録
  2. Simplicity Studioをダウンロード。Win, Mac, Lunux版があります。
  3. インストールしたら起動。アカウントを入力します。
  4. USBコネクタをつなぐと、つながってるデバイスが現れます。
  5. 選択しておいてから、new projectでCP2102Nなんちゃらを選び、ドライバなどをインストール
  6. documentペインを下にスクロールすると下の画面が出てきますので、Alternate FunctionをTx Toggle, Rx Toggleに変更します。
  7. Program to Deviceボタンをクリックして、書き込み完了→ちょっと待って→ヴェリファイ完了、が出てくれば書き換え完了です。
  8. あとは、micro USBをつなぎかえて、ちょっと待つと次のCP2102Nが認識されるので、そしたらProgram to Deviceを押します。
  9. なお書き込んだことは一度リセットしないと反映されません。確認をかねて一度USBを引っこ抜いてArduino IDEなどから書き込みを実行し、Tx/RxのLEDが点灯することを確認しましょう。
マニュアルというか使い方ビデオが整備されてるんですが長くて我慢できず、適当にいじっていたら動いた、というやつなので、あくまでも目安にしてください。

ということで、無事完成しました。よかったよかった。




こういう簡単な基板設計・製造もやってます。

お仕事の相談は、CrowdWorksLinkedInまでお願いします。

2019年7月18日木曜日

3Dプリントのナイロンとアクリル板の接着

ナイロンはなかなか接着が難しいです。3Dプリントのナイロンは表面がザラザラしていて少し接着しやすそうに見えるのですが……

  • セメダインスーパーX - 強度が出ない
  • アロンアルファ各種 - 接合部が汚い


という結果となりました。ので、久しぶりに紫外線ランプやらUVレジンを引っ張り出して、接着剤として使ってみました。



がっつりきれいにくっつきました。写真はナイロン板にUVレジンを塗ってからアクリル板に載せたので盛大にはみ出していますが、アクリル接着剤と同様にシリンジにいれて毛細管現象で染み込ませるようにすればこんなにはみ出しません。強度ははみ出した方が高いと思いますけども。

結論として現状ではUVレジンが一番良さげです。無気泡できれいです。厳密な計測ではないですが体重計に押し当てて14kgぐらい力をかけてみましたが大丈夫でした(それ以上は指が痛くて無理)。2mぐらいの高さから落としても大丈夫なので耐衝撃性もそれなりにあると思います。

下の写真、左側がアロンアルファを剥がした跡です。接着15分後に2kgぐらいの力で剥がれましたが、接着後もっと時間をおけばもっと強くなると思います。ただ、白くなってしまうので透明アクリル+黒ナイロンの組み合わせには無理ですね。


2019年7月17日水曜日

Elecrowの3Dプリントサービス



手順:

  1. メールでSTLを送る。今約5ccの三角の台座を黒ナイロン6個注文。
  2. 先方から見積もりExcelが帰ってくる。送料込み60ドル
  3. Elecrowの3Dプリント注文ページで1ドルx60個を購入してPayPalで支払い。

支払ったのが7月9日の夕方で、7月17日の夕方OCS/ANAで到着しました。

拡大してみると斜面にかすかに積層痕が見えますが、全体的に「こういう仕上げです!」と言ってしまえば通る感じですw

よかったよかった。

2019年7月16日火曜日

実体顕微鏡チューニング

先日買った実体顕微鏡、大変重宝しております。もうこれなしでは生きていけない。

のですが、ちょっと倍率が高すぎてワーキングディスタンスも中途半端です。現状接眼レンズは10X、対物は1.0xのフィルターがついているのですが、その状態だとLEDフードから80.7mm程度でちょっと狭い。2.0Xだともっと狭いので論外、もう一つ付属していた0.5Xだと160mmぐらいで椅子を高く高くしないと目の高さが合わないし、机が遠い。安かったので5Xの対物レンズも買ってみたのですが、視野が狭くて狭くて狭くて、お蔵入りです。

ってことで、0.75Xの対物レンズを注文しました。送料込み2001円、AliExpressで16日で届きました。さっそく組み込んでみたところ、W/Dは108.5mmぐらいになり、視野も良い感じです。

この顕微鏡、対物レンズのネジ山がきれいに切れていなくて正しくネジを噛ませるのに苦労します。無造作に回したら間違いなくネジ山が潰れます。国産品だと当てたまま静かに逆回転するとハマるポイントが見つかるんですが、余計な山がいくつもあってその手も使えません。

なので鏡胴ごと外して逆さまにして上から対物レンズを少し強めに押しながら逆回転するとネジの開始位置が少し判断しやすいです。不覚にも慣れてしまって5分くらいで交換できるようになりました。そんなBad Know-howはソフト開発だけで十分お腹いっぱいなのに……。

先日もラズパイのケースでM3のネジがはまらなくて苦労しましたし……中国製品のネジの雑さはホントなんとかして欲しいです。

さて、この顕微鏡、残る問題はカメラのフォーカスです。サイマルフォーカス=視野とカメラが同時にピント合うってことだと思っていたんですが、そうではなかったようで……接眼レンズを覗きながら動画を撮影することができないでいます。届いた荷物のなかにまだ使っていない「筒」があるので、その辺を組み合わせればなんとかなるんかなーと思っていますw

なお、以下、地味ですが重要なチューニング。アームが黒くて見えにくいんですが、先日見事に頭をぶつけてですね。1ヶ月たってもコブが治りません。ってことで、衝突防止のために黄色いマスキングテープを貼りました。ヒヤリハット大事です。


EagleでLibrary上のパッドが基板上で肥大化する

こういう部品(USB-Cレセプタクル)を基板に乗っけると



こんな風にパッドが大きくなって隣とショートしてしまいます。



どこかのデザインルールが影響しているんだろうとは思ったものの、それがどこかわからず。あちこちいじって、ようやく判明しました。

メニュー Edit > Design Rules ... > Annular Ring ここのmin / Padでした。


初期値は10milでしたが、5milに変更したら小さくなりました。

でも作れなければ意味がありません。JLCPCBさんで確認したら……3mil、OKでした。


よかったよかった。

2019年7月10日水曜日

3Dプリントとアクリル板加工

倉橋屋謹製WiFi対応ニキシー管時計の土台に基板を固定するための試行錯誤の一貫として3Dプリントを使うことにしました。

自前の3Dプリンタがまだまだまだ届かない(Kickstarterで2回破綻して、2台到着待ち(SLAと複合機)というおバカすぎる状態)ので、DMMに頼みました。20x50x5mmの三角形で1個1400円ぐらい。納期約10日。値段はしょうがないけどもうちょっと速くならんものか…ということでElecrowにも見積をとってみています(これについてはまた後日)。

が、届いた3Dプリント、私がFusion 360でネジに「モデル化」をチェックし忘れたためにネジが切っていなかった…orz

ということで、古来より使われているタップを注文。すったもんだ※の挙げ句、ようやくちゃんとしたネジが切れました。余分に作っておいたプリントで強さを確かめてみましたが、ちゃんとネジが止まる程度の強度でも壊れないので今回の用途には十分使えます。さすがに思いっきりネジ締めたら潰れると思いますが、それはまぁ3Dプリントではなく普通のナイロンネジでも同じっすね。


次はこれをアクリル版に固定します。位置決めには「スジボリ用ガイドテープ6mm」を使いました。適度な厚さがあって透明でしっかり粘着するので定規+けがき針よりもしっかり保持できます。透明で密着度合いが見えるので、溶解性と浸透性の高いアクリル接着剤はともかくとろみのある接着剤や塗料なら十分マスキングとしても使えます。



接着にはセメダインスーパーXクリアを使用しましたが:

1回目…2時間経過してまだ十分降下していないのに力を入れてしまって剥がれた
2回目…清掃が十分でない上に初期硬化が遅すぎてくっつかない

という不器用以前の状態。

というわけで3度目の正直できれいに研磨してから接着してみたのですが…26時間経過後に試すと指の力だけで剥がれてしまいました。もっと時間のあるときに再挑戦します。

なので、3Dプリントのナイロン材の使用は一旦保留して、レーザーカットしたアクリル板を重合法で接着しました。

以前はプラスチックの注射器を使っていたのですがゴムが溶けて動きが悪くなるので、ガラスシリンジを使ってみました。今のところいい感じで使えています。1本500円ぐらい。今度買い足して、ハンダクリームやジェルフラックスでも使ってみようと思っています。


工房で作ってもらった黒いアクリル板は少し曇りがあったので、ヤマハのピアノコンパウンドをフェルトにつけてミニルーターで鏡面研磨しました。浅いキズだったので仕上げコンパウンドだけできれいになりました。

モノタロウのマスキングテープで左右の位置決めをし、例によってスジボリ堂6mm幅ガイドテープで手前のエッジからの平行を確保。もうガイドテープなしではプラスチック加工ができない身体です私w そのうち時間ができたら、ガイドテープをピッタリ貼った状態でどの程度アクリル用接着剤の侵入を防げるか試してみます。

で、接着剤を流し込みます。1分でがっつり固まってくれました。


しまった…また完成写真を取り忘れた…。


工場ライン用ESP32書き込み装置

ラズパイZero WHを使って、ESP32基板にプログラムを書き込む装置を作りました。

事前に試作していましたが、最新の基板が届いてからクライアントに出荷するまで3時間しかなかったので、基板を洗浄する時間がなく汚いです(言い訳)。


基板上にボタンをステータス表示用LEDが2個。
  1. まずラズパイが起動すると緑が点灯して準備完了を伝える
  2. ESP32基板をポゴピンに押し当ててからボタンを押す
  3. 書き込み中は緑が点滅。まずESP32に電源を供給しつつ消費電流を計測します。異常がなければesptoolを使ってflashを完全に消去してからアップロード
  4. 赤が点灯するとエラー、ESP32基板を外してからボタンを押すとグリーンに戻り初期状態になります。
  5. 緑が点灯すると正常終了。
という流れです。工場でばっちばち電源を切られるということなのでRaspibianはRAMDISK化し、工場内でOTAできるようにWiFiルータとして起動し、Apache2を入れてバイナリ配信できるようにしています。ルータ設定には手を焼きました…。

緑ボタンが点灯している間、ポゴピンへは電源を供給しません。電源を供給したままだと、作業員さんが正しくない位置にポゴピンを挿した瞬間ESP32が即死するからです。

基板とステンシルはJLCPCB、アクリル板レーザーカットはElecrow、回路設計、基板設計、実装、ラズパイの設定からプログラム作成などは私が実装しました。部品はMouser.jpと秋月からの調達です。

生活感溢れる試作施設w

こんなこともやってます、ということで。Hamicベアでの経験が活きました :-)

ご興味のある方は、LinkedInCrowdWork経由でご連絡いただければ幸いです。

2019年7月9日火曜日

カラス対策2019

しばらく荒らされていなかったんですが、またこんな状態に…。


ってことで、以前も使ったArduino nano + PIR + NeoPixelを設置してみたのですが…


やられてしまいました。風で裏返しになっていたのが原因と思いたいのですが、まぁ何か対策しないとあかんですね…。とりあえず裏返しにならないようにテープで固定。

清掃しながら復習を誓う倉橋であった。


ただ、なんというか、きちんとゴミを出していない住人が入居してきたんじゃないか?っていう気はするんですよね。

さすがに動体検知カメラで撮影するのはやりすぎだと思いますけども(やらないよ)。

その1時間後…あかんですね…。