2016年4月1日金曜日

降雨検出器「盛り塩1号」

いうまでもないけどエイプリルフールだからな。
派手に滑ったけど。

電子工作の歴史は降雨検出の歴史でもあります。

歴史上様々なセンサーが登場し、消えていきました。しかし、弊社(倉橋屋・東京/日本)はこの度、画期的センサーの開発に成功いたしました。

デモを御覧ください。点滅時は降雨待ちの状態です。「盛り塩1号」はわずか250mgの水滴により、センサーが死滅し、点滅を止めたことがおわかりいただけるかと存じます。


video

■構造■

ESP-WROOM-02モジュールに、パル生協の「海はいのち」(粗塩)を盛りました。湿度の高い季節には精製度の高い塩、乾燥した時期には粗塩を用いると潮解によるアシスト感度を調整することが可能になります。

■原理■

雨の大部分が水(化学式:H2O)から構成されていることをご存じの方も多いかと存じます。弊社では「しおがみずにとけるとでんきがながれる」ことに注目し、開発に着手しました。

大きな問題は、塩が溶けたことをどうやって検出し、遠隔地に伝えるか、でした。遠隔地への伝達はWiFi内蔵マイコンESP-WROOM-02(総務省による技術基準適合証明取得済)を使用することで解決しました。残る問題はソフトウェアの開発です。しかし、ソフトウェアの開発には莫大な費用がかかり、セキュリティなどのリスクも懸念されます。その為、ごく単純なソフトウェアで確実に動作することが求められます。

このあまりに困難な問題へのブレークスルーは、多くの画期的発明がそうであるように実験中の事故によってもたらされました。

その朝、私こと倉橋浩一は開発のバグ除けのためいつものように玄関先に盛り塩を置こうとして、ついうっかり動作中の開発機の上に塩を盛ってしまったのです。

あまりの事態にショックを受けました。

いつの間にか、頬を涙が濡らしていました。

次の瞬間、涙が回路の上に落ち、回路をショートさせてESP-WOOM-02は電波の発信を止めていました。センサーが確実に雨に反応した瞬間です。

これだ! 壊せば確実だ!!

問題は解決しました。これならソフトウェアは単に電波出してればいいので、単純化された信頼性の高くセキュアなソフトウェアを書くことができます。

そこからの開発はあっという間でした。電流(弊社では「塩漏れ電流」と呼称しています)が確実にチップの息の根を止めるよう新日本無線製高性能レギュレータを採用し、広いインピーダンス特性で奥深くまでチップが破壊されるようOS-CONを装着しました。テストに消費したESP-WROOM-02モジュールは少なくとも20台以上になりました。


犠牲になったESP-WROOM-02は、日本の伝統「針供養」に則り、豆腐に挿して弔いました。科学の犠牲になった彼らの安らかなdeep sleepに合掌。

なおRESET-IO16間はジャンパ結線済です

本日、2016年3月32日、発売します。税込1680円です(送料込み、塩は附属しておりません)。

以下に制御ソフトウェアを公開致します。(ライセンスはApache)。他の機種でも動作すると思います。また、同じ原理を用いる場合、nRF51などGPIOの余力の小さいものの方が感度が高く、MSP430Fのように割りとタフなのに消費電力の小さいものは大電流に耐えてしまい向いていないかもしれません。




■今後の課題■

同センサーはESP-WROOM-02モジュールの破損によって降雨を通知します。そのため、一雨ごとに約1680円のモジュールが尊い犠牲となります。雨に気づかず外出した場合と比較すれば微々たる金額とはいえ、今後、破損する部品がなるべく安くなるように開発を続けていきたいと考えております。

■今後の目標■

塩(エン)が熱により溶融すると電流が流れる化学現象を活かした火災報知機「焼き塩2号」の開発を進めております。現在、塩が溶けても溶けないハンダの開発者を募集しております。

■4月2日の追記■

ここで用いたESP-WROOM-02は、ホットプレートリフロー時の失敗作です。最近は滅多に失敗しないのですが、ホットプレートでハンダが溶けているタイミングで衝撃を加えてしまい、見事にズレました。ダメ元でピンセットで戻してみたけど、やっぱりダメで起動しません。

ので、こういう形で供養しました。電子部品、特にCPUをダメにしてしまったときのこの罪悪感は何なのでしょう。単なる「もったいない」以上のものがあるように思います。

■4月11日の追記■

当初この記事には「新製品発売します!」というタイトルを付けていたのですが、本日、スイッチサイエンスさんから新製品が発売となりまして(いやマジで)。紛らわしいのでこっちの記事のタイトルを変更致しました。

今後は後先考えて生きるようにしたいと思います(54歳・会社員男性)。

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