2020年3月13日金曜日

3Dプリント:wash and cureがすごく良い!



写真左、ANYCUBICのWash and Cureという装置、すごく良いです。

■洗浄硬化は必須■

wash and cure machine、長いのでWCMと略します。上記の通り、洗浄と紫外線での硬化が可能です。

SLA 3Dプリントした後は洗浄する必要があります。最近は水洗いレジンもぼちぼち増えてきましたが、まだまだ主力はIPA、このIPAはコロナウイルスの影響で入手しにくくなっているし、結構お高い(エチルアルコールよりは安い)ので、なるべく大事に使いたいものです。

うちでは、100均タッパー2つと超音波洗浄機を用意して、使って汚れたものから順送りでIPAを入れてました。1.ベトベトの出力物を洗うやつ、2.そこで洗った出力を念入りに洗うやつ、3.超音波洗浄機仕上げのすすぎ。の3段階です。

500cc入れて、大塚刷毛製造のひよこ刷毛で表面を洗っていました。手袋の着脱、ケイドライでの拭き取りや刷毛の掃除と乾燥など結構手間がかかりますし、何よりずっと付きっきりで立ち作業するので腰が痛いです。

WCMは、3500mlの洗浄バケツの底に磁気で回転するプロペラがついていて、その中に出力物を投入すると渦潮で自動洗浄してくれます。出力物などはステンレスのかごにいれて洗いますが、ANYCUBICのプリンタであれば、プラットフォームをそのまま固定できるアタッチメントがついていて、更に楽に使えます。いいなぁANYCUBIC。

■洗浄方法■

使い方は、後述の日本語マニュアルをご覧いただくとして、だいたい
  1. バケツに洗浄液(うちの場合はIPA)を入れる。ステンレスかごを使うので1,500 - 2,500cc。うちは2,000cc入れるとプラットフォームごと漬けられます。
  2. 出力物をステンレスかごに入れて釣るか、プラットフォームで釣るす。洗浄バケツの底には回転するプロペラがあるので、必ずかごに入れるかプラットフォームで吊るしてください。
  3. オレンジ色のカバーを装着。
  4. 洗浄モードにして時間を選びスタートボタンを押す。「キュワー」というかっちょいいモーター音とともに洗浄が始まります。2, 4, 6分を選べますが、まだ最適な時間がわからないのでとりあえず6分にしてます。
  5. 終わったら取り出します。そのままでもいいみたいですが、私は一度フレッシュなIPAですすいでから乾燥させてます。
という感じです。ホコリの入らない乾燥庫ほしいです。

IPAは当然汚れますので交換が必要です。うちはこれまでは3段階1500mlで合計15〜20回程度で交換していましたが、ちょっと様子をみて見ます。この点、水洗いレジンはザバザバ捨てられるのでいいですね。

あと、Orange 30のプラットフォームにはM3の六角ボルトが使われていて、そのネジ頭に入ったレジンは、これまではIPAに沈めてネジ頭にひよこ刷毛の毛先を10回叩きつけて洗っていました(5回できれいになったので念の為10回)。WCMでこの手間が解消されるか?と期待したのですが、そこまではきれいになりませんでした。超音波洗浄機で5分洗浄しても残るので、ここは今後も刷毛で掃除するほうが良さそうです。もっとも、私はビルドプレートはレジンを交換するまで洗わない運用なので、大した手間ではありません。

■硬化方法■

乾いたら硬化です。洗浄バケツを外して(乗っているだけですが)、きっちり蓋を締めます。洗浄バケツにぴったり蓋ができるのはありがたいです。大量の液体を別の容器に移し替えるのって面倒だし必ず失敗するマンなのだ私は。

ターンテーブルを取り付けます。取り付けるというか乗っける感じで少し心もとないですが。その上に、乾燥した出力物をのっけます。ターンテーブルはアクリル製ですが、アクリルはIPAに弱い(白化したりひび割れたり)ので、乾燥させること大事です。またオレンジ色のカバーをのっけて、硬化モードに切り替えて、時間をセットしてスタート。カバーは紫外線カット素材ですが、カバー越しに見ても結構眩しいです。というか紫外線を完全にカットできるわけではないので、見ないほうがいいです。

後述のKORESAWAさんによれば、ANYCUBICの人に2分で充分、それ以上やると白くなる、と言われたそうですが、レジンが黄色くなるのは日常的に経験していますが、白くなるとはどういうことでせう。推測ですが、透明なレジンの表面が応力歪その他で白化するのではないかと思います。では黄ばみはどうなのか、ですが、今、うち白や透明のレジンがないのでまだ評価できていません……評価が終わったら加筆します。

ということで、今まではレジン手芸用の蛍光灯紫外線を使っていて、小さいものは裏表ひっくり返して3分ずつ照射してました。でかい出力物だと少しずつ向きを変えながら10分照射してもしっとり感が抜けない感じでした。

でも、WCMだと、小さいのは2分でいい感じですし、4分だとサラサラになります。しかも、ターンテーブルの上ですので、途中でひっくり返さなくてもいいです。もうこれで「へいしり、3分タイマー」と叫ばなくてもいいのだ私は。

写真のように、小型LCD SLAプリンタと同じぐらいのサイズで、かさばりません。タッパーを2つ減らせたので今までの作業スペースと同じところに置いてます。

LCD SLA方式3Dプリンタで洗浄が煩雑、ちゃんと硬化させたい、という方にお勧めです。

■さいごに■

マニュアルは、日本語版をダウンロードできます。単なる翻訳ではなくて、先行ユーザーのKORESAWAさんが翻訳してくださったもので、使う上での体験的なtipsとユーモアがあって、とても助かります。

末筆ながら、この機械を紹介してくださったKoresawaさんに感謝申し上げます。Twitterでも、各種情報発信ありがとうございますm(_ _)m


2 件のコメント:

  1. わ~。本当に詳しい説明です。とても助けますよ。

    返信削除
  2. ありがとうございます! 頑張って書きました ^ ^

    返信削除

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。