写真:かっこいいケース(倉橋比)、しかし中身はバラックな件 |
ブレッドボードそのまま実用品として使っていると配線ひっかけて抜けたりホコリをかぶったりして、とても残念な結果になります。でもユニバーサル基板めんどくさい。1枚だけのために基板起こすのももったいない。
というわけで、ブレッドボード収納できるケースをレーザー加工屋さんに作ってもらいました。
MakerCase.comで生成した指組み(Finger Joint)のデータにIllustratorで端子穴とアイコンと文字を追加してPDF形式で出力し、5面をMDF、天板だけアクリル指定でオーダー。どっちも厚さは3mmです。サイズや刻印の有無によって価格は異なりますが、送料込みでも中身の部品より安いです。
なお、MakerCaseは「内寸指定」だとうまく箱にできないようです。厚さ分を引いて外寸指定で作りましょう。また、ミストラルさんの加工機の場合はLaser Cutting Kerfを0.02-0.10mmぐらいに指定してデータを生成します。いずれも接着なしの場合、0.02mmでは持ち上げただけで底が外れますが、0.08mmだとハンマーで打ち込まないと組み立てられません。0.06mmぐらいに指定すると接着剤なしでも自立するので組み立てが楽になります。
MDFにはレーザーで切断した時のヤニがつきます。これは、板によりますが、アルコールや水で拭くときれいの落ちます。ただ、彫刻部分を拭くと字も薄くなってしまうので、彫刻のある面をきれいにするには、サンドペーパーを板切れに巻いて磨くときれいになります。アクリル板には保護シートがついてますが、剥がすのは最後でOKです。
MDFの接着には懐かしい木工用ボンドを使います。速乾性の白いボトルのを買ったのですがすぐに粘性が高くなってしまって拭き取るのが大変です。従来の黄色いボトルの方が良いようです。
板5枚を並べて、写真のようにホゾのでっぱった部分に少しずつ接着剤を乗せていきます。機械的強度だけならごく少量で良いのですが、少し多めに塗ってはみ出した分を拭き取る方がきれいに仕上げるような気がします。拭き取りには濡らした雑巾や不織布が良いです。天板のほぞに接着剤がついていないことを確認してはめ込みます。天板を取り付けた状態で固定しないと、組み立て時の歪みのせいで接着剤が固まったあとで天板が入らなくて泣くことになります(経験者談)。
あとはゴムバンド、ハタガネ、木工バイスなどを使って全体を締めますが、ハタガネなどで小さい面積に力が集中すると跡が残ってしまいますので(経験者談)、板をあてるなどして荷重を分散させます。締めると接着剤がはみ出してきますので気になる人は一度天板を外してからもう一度拭き取ります。でもここで拭き取りすぎると天板を戻したときに隙間が広がり接着剤が吸われちゃったりするので難しいです。
一晩放置すればできあがり。
・・・ケースはきちんとしていても、中身の「もじゃあ」感は避けられないっすね。スモークアクリルを使うべきだっただろうか。でもそれだと刻印見えないし。
私の世代だと電子工作を筐体に収める=アルミシャーシ/ケースで、それはもう大変な工作技術(私基準です)が必要だったのですが、今はレーザー加工を委託することのできる業者さんもあって、IllustratorやフリーのCADソフトで描いた図面の通りのモノを入手することができます。
電子工作を「作る楽しさ」だけでなく「使う楽しみ」に引き上げることができるので、ぜひレーザー加工によるケース制作を試してみてください。
ちなみに今回作ったのはFM送信機です(刻印は「FM hearing aid 80 by TareObjects」 ・・・"80"はFM東京の周波数ではなくKerf設計値80μmの意)。私は耳が悪いのでテレビ視聴用に作りました。FMラジオも小さいのを作ってケースに入れ、補聴器のライン入力に接続します。Bluetoothなども考えたんですが、なんか大げさになってしまったのでアナログにしました。
微弱電波まで出力を落とすのが一番大変でした。その辺はまた改めて記事にします。
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