2021年4月6日火曜日

ニキシー管時計修理:破損したIN14の交換

ココナラ経由でのご依頼で、左から2桁目だけが数字の一部分しか表示されないとのこと。


この時点での予想は桁ドライブ回路の損傷かニキシー管の劣化でした。点検作業を発注の上送っていただき、分解点検するとセグメントを駆動する回路は3桁共通で桁を駆動する回路は2桁ごと、というおもしろい回路。共通する他の桁 / セグメントと波形を比較してみるとまったく同じで異常なし。ということでニキシー管の劣化が原因と診断して、修理費用と期間をお見積り。うちにはIN14がないのでロシアかウクライナから仕入れる必要があるので期間は長めになりました。

お見積りに同意いただいて受注。

まさにそのタイミングでTwitterで知人から各種ニキシー管譲渡の打診が!

おかげで良質の管を1週間で入手できました。

さて、修理です。


まずIN-14を外す必要があります。13本のハンダを吸い取ってピンを抜く作業……考えただけでうんざりなのですが……私にはFR-400という強い味方が! 

白光 はんだ吸取器 FR-400

300Wのステーション型ハンダ吸取機なのですが……パワーもさることながら、ポンプで一定以上の圧力に下がってからバルブが開く構造なので、一気にハンダが吸い取られスルーホールがつるっつるになります。

今回の修理でも、ピンにノズルを当てて熱が十分浸透したところでピンを動かすようにしながらトリガーを引いて吸い取るx13、この時点でもうニキシー管はグラグラで1本にハンダが残っているだけでした。最後の1本にコテを当てて引っ張れば簡単に外れます。その間、約2分でした……吸い取り線や前に使っていたFR-301なら30分はかかっていたと思います。

さて、無事IN-14を外したあと、新しい(製造50年近いけどね)IN-14を刺して仮止めし、通電。正常に点灯することを確認しました。対角の2本を仮止めしてから、ピンをまっすぐに伸ばしてからカットします。真っ直ぐに伸ばすのは次に修理する人が困らないように。基板に沿ってピンを曲げると、はんだ付けは楽になるんですが、次にニキシー管を交換するときの作業が非常に困難になりますので。さて、全部はんだ付けをすませて、最初の仮止め2本をカットしてからきれいにハンダを盛ります。

動作確認、問題ありません(点灯確認のために「シュタゲモード」にして録画しスローモーションで再生しています)。


フラックスクリーナーで清掃して出来上がり、念のためにサーモグラフィーで発熱箇所などがないか確認してから梱包・発送しました。

いやー……FR-400、ワタシ的には清水の舞台から全裸で飛び降りるぐらいの勇気が必要な金額なんですが、買ってよかったです。商売道具には投資しないとね……。

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