2017年12月8日金曜日

PCB発注いろいろ

ご無沙汰しております。

最近、サラリーマン業が炎上気味かつメイカー仕事がキャパオーバーでブログ書く時間ありませんでした。

PCB / PCB A発注は以前はelecrowとpcbgogoだけでしたが、最近、seeedやp-ban.comも頼んでみたので、その辺の雑感など。

わたしはいずれの場合も日本から主要部品を送りました。送らないで済ませたいのですが、基本的にMouserなどからの仕入れになるので日本向け製品については送らざるを得ないのです。そういうものを使わないで設計したいのですが、普段秋月に依存しているのでしょうがないのです。

■Elecrow■

PCBの品質はPrototypeで70点ぐらい。シルク太い。カットが汚い。Premierで80点ぐらい。Premierなら文字サイズ24milでもなんとか読めるけど、Prototypeは32milがギリギリ、50milをオススメします。あ、1.6mm、緑レジストだとPrototypeでもわりときれいです。

PCB Aに関しては、半田付けはきれい。レジスト精度0.3mmまでなのでQFNには対応していないが、1mmピッチぐらいまでなら圧倒的に安く作れます(50x30mm, 1.6mm両面基板で20枚1万円ぐらい)。納期はあちらに部品が届いてから10-12日ぐらいで届く。時々腰の抜けるようなミスがあるので、指定はうるさいほど厳密に。表面実装のCRなどは無料で使える。Fusionだとメーカー型番を厳密に指定しないといけないけど、ここは2012, 1kΩと書いておけばライブラリから適当なものを使ってくれる。

0.5mmピッチQFNには非対応。知らないで頼んだらロット全滅しました(笑)。

あと、事前に言っておけば余った部品は返却してくれます。

困った点は、基板発送時に写真を送ってくれるんですが、「送ったよ」メールなのでもしそこで間違いなどに気づいてもどうすることもできません。PCB Aのときには写真なしなので届いてびっくりということもあります。まぁでもそれは大抵の場合自分のBOMや図面に間違いがあるから悪いので、安いけれど自己責任、という選択肢だと思います。

担当者との連絡はすべて英語。

■PCBgogo■

PCBの品質は85点ぐらい。十分きれい。48時間特急料金にしてもそれほど高くない(50x50mm, 1.6mm, ENIG仕上げ5枚で送料込み1万円弱)。土曜日も作業してくれるので、タイミングによってはp-ban.comの標準納期より早く着く。

PCB A、こないだ特別オファーでElecrowと同じぐらいの費用で受けてくれたので頼んで見た。 基板の品質は良いし、この値段なら普通に頼める。QFNについては頼んだことないのでわかりません。

あ、あと、日本から部品を送る場合、少し余分に入れておいてくださいと言われるんだけど、余った部品はちゃんと返してくれます。あとPCB Aで発送前にかならず写真を送ってくれて、ちょっと怪しい箇所(例えば1個だけ向きの違うLED)については、「この向きで大丈夫ですか?」と確認してくれます。うっかり八兵衛の生まれ変わりな私には大変ありがたいです。

担当者とのやりとりは日本語。

■Fusion / Seeed■

PCBの品質は90点ぐらい。十分きれい。

PCB Aでは、一般的な基板とQFNを含むレジスト精度0.1mm以下の基板を頼んで見たけど、不良ゼロだった(当たり前か)。事前のチェックはElecrowよりかなり細かく、抜けをそのまま放置する、なんてことはなく問い合わせが来ます。納期はあっちに部品が届いてから2週間+αという感じ。作業過程が見えないので、ちょっと遅く感じます。いや実際Elecrow / PCBGOGOより5日ぐらい遅いかな。

担当者とのやりとりは日本語。やっぱり楽。リンクはこちら


■P-ban.com■

PCBを頼んで見た。納期予定通り。金額はWebの見積もり通り、だいたい中国勢の5-7倍ぐらい。ただ、中国勢に特急料金払って空輸してもらっても日本国内なら翌日配達なので、急ぎの基板については差はもう少し縮まるし、最短翌々日に届くのは中国からでは絶対に不可能なので、非常用手段としてキープ。

仕上がりは驚愕するレベル、100点満点。エッジはつるつるだしシルクも美しい。

今まで、中国勢に50mil, 8%でシルク指定してて「このぐらいの太さだな」と思っていたものが、細過ぎて老眼鏡が必要なレベル。もちろん24milでもくっきりと読むことができて、顕微鏡で拡大してもにじみがない。いやびっくりです。なんでこんなに違うの?

なお、P-ban.comで標準になった水溶性フラックス仕上げってので頼んでみたのですが……半田付けしたあとにフラックスクリーナーでわたしの半田付けの下手さを洗い流すことができないのが辛い(フラックスを洗い流すと銅箔が錆びるから)。

担当者とのやりとりは当然日本語。PCB Aはまだ頼んだことありません。

■まとめ■


基板のみの場合、超特急なら国内。週末に設計・発注して翌週末に作業したい週末メイカーにはPCBGOGO。試作でとにかく安くということであればElecrow(pcbgogoも安いけど、ElecrowはOCS/ANAを選べるのでDHL/FedExより1日早いし、もっと安い一般航空便も選べる……試したことないけど)。高精度のものはFusionか国内。

PCB Aについては、簡単なものを安くあげたいならElecrow。高精度なものを比較的安価にということであればFusion。高精度なもの and/or 美しく and/or 早くであれば国内。

……ごく当たり前の結論ですね。

このところ、本格的な受託開発が多く、「値段は(あまり)気にしないから早く早く」ということで国内業者を使って見たのですが、いやー、やっぱ綺麗だわ……というのが感想。ただ、わたしら基板を手にとって見る人間にとっては綺麗だけど、基板の入った装置を買う人にとってはオーバークォリティなのかもしれないなぁと思いました。

……また当たり前のことを書いてしまった。

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