2018年11月29日木曜日

リフロー炉導入

いい仕上がりです。

■購入まで■

私淑する先輩がリフロー炉とステンシルプリンターは必需品とおっしゃったので、Aliexpressを物色。すると、定番リフロー炉T962の後継機種としてLY-962Aというのが出ていました。T962は赤外線加熱のみでしたが、LY-962Aは赤外線+熱風式。これまで私が使っていたホットプレートは手軽ですが均一に加熱されないのが悩みのタネでしたので、即購入しました。送料込みで$328.21です。

ステンシルプリンターは、ピンで基板の位置を自在に変えられるちょっと良いやつを買いました。送料込$421.98。

どちらも発注日は11月12日です。

■ちょっと紆余曲折■

ステンシルプリンターは11月21日に届きました。

でかい

サラリーマン業が忙しくて開封したのは28日なのですが…見事に破損していました。かなり重い機械なのですが、高いところから落としたようで、箱の一辺が潰れ、その中にある調節つまみがひん曲がり、アルミ製の分厚い定盤も曲がっていました。



Aliexpressに連絡を取ったのですが、業者は「配送業者FedExに連絡しろ」とのこと。で、FedExに連絡を入れたところ、折返しメールでクレームを出してくれと言われて、担当者と何度かやりとりをして提出しました。返金されるかどうかは7-10日ほどで通知されるそうです。どうなることやら…。

【追記】FedExに画像などを送ってクレームを入れたところ、運送中の破損だと認定され全額損害賠償されることになりました。クレームを入れてから10日で決裁されたと連絡があり、その1週間ほど後に入金されました。AliExpressへのdisputeは、一度却下されたのですが、破損状況を説明する怒りの動画を送って再審査を求めたところ、再度裁定の判断になり、業者側で対応を検討するステータスになりました。業者からは、「こうすれば治る」という説明は来るのですが、破損した部品を交換するとお金がかかるからFedExと交渉してくれ、の一点張りでした。結果的にFedExが認めたから良かったものの…。【追記終わり】

リフロー炉は11月23日に届きました。特に問題はないです。

でかい^2

■テスト運転■

こっちもでかくて重いです。作業場所がないので、とりあえずキャンプ用テーブルを引っ張り出して、その上で動作テストをしました。


スイッチのパネルが割れているというような些細なことはどうでもいいのです。


リフロー炉のテストです。110V仕様を100Vで使っているせいか150度から上の昇温が0.5度/秒って感じでとても遅い。220度まで2分ちょい。冷却も遅いので、150度以上に5分程度とどまってしまっています。



T962はそのままではまともに動かないので制御プログラムを入れ替えて使っている方が多いとのことですが、これは少しオーバーシュートしますが一応制御はまともに動いており、特に改造しなくても使えそうです。



遅大きな基板で試してみても端から端までのフラックスの流れ方が均一なので、ホットプレートで一部240度、反対側はまだ溶けてない…なんていうのより遥かに品質は良いはず。

■実践:ステンシルでスキージング■

前記の通りステンシルプリンタが破損していたので、手動でスキージングしました。

カッティングマットの裏側に捨て基板をマスキングテープで止めてから、実基板を固定し、ステンシルの位置を合わせてマスキングテープで止めます。



スキージングには漫画喫茶の会員証を使いましたw テレホンカードが良かったんですが、さすがに在庫が尽きました。一部で0.2mmほどズレましたけど、ユニクラフト製の基板はきっちりレジストが塗られているので大丈夫…と思います。



で、手で…というかピンセットで部品をマウントしました。ほとんどのパーツはルーペをみながら、0.4mmピッチコネクタだけはUSB顕微鏡を見ながらマウントしました。

■リフローとその結果■

付属の排気ダクトを装置裏の排気口につないで換気扇の下まで伸ばし、リフロー炉に基板を入れて、プロファイル1を選択してリフロー開始(予熱100度1分、プリヒート160度30秒、リフロー220度5秒、ホールド5秒(温度不明)、冷却)。室温から約10分で冷却まで終わります。

当たり前ですが、ホットプレートで手動で温度管理するよりも圧倒的に楽。

結果はトップの写真です。0.4mmピッチコネクタの下で3箇所ブリッジがありました。しかし、それ以外の箇所には完璧でハンダゴテでの補整は必要なしでした。表面実装のDCジャックは熱量が足りなくてハンダ不良になることもあるのですが、完璧でした。

いやー…やっぱり道具にはお金かけないとダメですね…。

■今後■

課題として前記の通り昇温が遅いので自宅量産を始める前に100->110Vの変圧器入れようと思います。1600Wぐらいの変圧器、適当な中古品が見つかれば良いのですが…デカイし重いし大変。【追記】溶接機なんかに使う15% / 25% up切り替えスイッチのついた2KVAのやつを購入しました(スター電器製造(SUZUKID)昇圧専用 ポータブル変圧器 トランスターハイアップ SHU-20D)。怖くて25%にはできませんが、15% upの115Vなら定格内、試してみたところ0.5度/秒ぐらいだった最後の昇温が1度/秒程度までスピードアップしました。新品で思ったよりも安かったし。よかったよかった。【追記終わり】

あとはステンシルプリンターの返金処理…。結果は後日ご報告します。【追記】輸送中の破損ということでFedExから返金されました【追記終わり】

9 件のコメント:

  1. TechShopに個人の方が同じリフローを置いていて、全体に大きなカバーをつけていたのと、本体の入口の蓋がちょっと締まりが悪いので閉めたあとにメンディングテープで目止めしていました。かなり熱が外にもれて温度変化が大きいようです。本体のカバーを開けただけで温度が変化していました。参考までに

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    1. コメントありがとうございます。

      前機種のT962からだいぶ改善されたと聞いていたんですが…いや改善されたからこの程度で住んでいるのかなw

      テストの時はあまり触ったりしていませんでしたが、ありそうですね。次に使う時は気をつけてみます。

      大変参考になりましたm(_ _)m

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  2. 962系列のリフロー装置を個人で使用すべく色々調べていてこちらにたどりつきました。

    お使いの装置だと1600W食うですが、電源は通常のコンセントから取られているのでしょうか?それともエアコンとかに供給可能な100V 20Aのコンセント経由なのでしょうか?

    私の自宅は賃貸マンションで100V 20Aのコンセントはありませんが、今は使用していないエアコン用の200Vのコンセントがあるのでそちらから電源を取るしかないのかと考えています。

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    1. コメントありがとうございます。
      うちでは、通常の家庭用コンセントから取っています。クランプで電流を見てみましたが、最大でも14A程度ですね。定格110Vだからでしょうか。そのせいか、温度上昇が遅いです。

      これから購入されるのであれば、200Vのコンセントから取って、昇圧トランスなどを通して220Vで給電されたほうがよいかもしれません。

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  3. はじめまして、同系統のLY962Cを購入したのですが若干おかしな事になっていまして調べていたところたどり着きました。
    テストモードでヒーターを動かしたあとにボタンから手を離すとヒーターが付いたり消えたりを繰り返していつまでも止まらないのですがそういうものなのでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。

      恥ずかしながら、テストモードがあるということすら知りませんでした。手元にマニュアルが見当たらないので、よろしかったらどうすればテストモードになるかを教えていただければ、お昼ぐらいでよろしければ試してみます。

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    2. ご返信ありがとうございます。
      主電源を入れたあと画面が消灯したままSETボタンを長押すると設定画面が表示されまして上から2番めにテストモードがあります。
      ヒーターとファンの2項目がありましてその下のボタンを押している間動作するようになっています。
      当方で先程再度動作させたところ主電源を入れたらすぐにヒーターが加熱を始めるのですが流石にこれはおかしいですよね・・・?

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    3. 大変返信が遅くなってしまって申し訳ありません。書いたつもりでいたのですが……。

      テストモード、押したときだけヒーターが点きますし、主電源をいれてすぐにヒーターが加熱する、という現象もありませんでした。

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