2013年12月5日木曜日

システム構築のうちとそと

近所の石碑…言葉選びって難しいわ

はてなの匿名記事エクセルでできることができない何百万のシステム・・を読んで。

私はずっとこれを言われてきた人間で、Excel登場前からSOHO向けのビジネスアプリを受託開発してきました。ただ、Excelどころかパソコンのない会社にシステムを導入する場合=システムを導入しなければならないほど定型化した業務が増えてきた場合には、ビシッとした伝票と帳簿システムが固まっている場合が多いんですよね。

なので、期首、月次、週次、日次、都度ぐらいで処理のタイミングを区切って、そこでどんな伝票を起こしてどう記録するかをヒアリングするところから始めてデータの流れに置き換えていき、無駄な処理をあぶりだしたり、一部利用者から「面倒だ」と文句が出るかもしれないけど必要な処理を提案したりでシステムを設計>開発しました。

そこにExcelなどのスプレッドシートが登場します。最初にお目にかかったのはTRS-80版Visicalcだったかな。Multiplanの時代まではあまり「被害」はありませんでした。むしろリレーショナル型データベースと相性が良いので、入力と出力がはっきりしていて打ち合わせもラクでした。それまでプリントアウトや伝票のコピーに赤ボールペンで注釈入れていたのが、キーボードの操作だけで完成イメージに近づけることができるようになったので誤解が生じる余地は少なくなりました。少なくとも帳票デザインに関しては「これで」「わかりました」で大体片付いてたと思います。なにより出来上がってから「これ、イメージと違うよ」ということはかなり少なくなりました。

そこにExcelです。上記記事にある通り、Excelのデータ形式はとても自由です。主要部分を定型化しておいた上で、ちょっとした例外処理を手作業で簡単に追加できるし、年に2回しか使わない帳票であっても慣れている人であれば作ることができます。

この「自分でも作ることができる」という誤解をユーザに与えたのがExcelの最大の罪だと思います。

日本人なら誰でもおにぎりを作れると思いますが、お客さんの心の中にしかないおにぎりの味やら姿やら食感をすべて定義した上でその作り方をコンピュータというやたら頭の回転だけは早い愚か者に一字一句間違いなく教えないといけないんですよね。うっかりすると、「天むす」を頼んだはずが「たぬきうどん」になっちゃうかもしれないし(違

それでも「Excelなら簡単にできる」って言われたら…「おにぎりの作り方を教えることがいかに大変か」と話しても不毛なので、どうしてExcelを使わないのかを相手自身に説明させて自身で理解してもらうところから始めましょうかね。要件定義もトラブルシューティングも大事なのは切り分けですから。

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なお、タイトルは私が学校行ってたころの名著「コンパイラのうちとそと」へのオマージュです。擦り切れるまで読んだっけなぁ。

余談の余談ですが私は当時BASICのコーディングのアルバイトをしていました。単価は1行100円、コンビニのバイト時給が400円の時代にすげえ!と思ったもんですよ…最初の2週間ぐらいはねw

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